僕の宵と明けの唄

僕の宵と明けの唄

アスペルガー症候群の僕の生活・趣味を綴ります。

夏なのに“walk out to winter”

 春休みに、親父がつくば万博に連れてってくれて、大宮の駅ビルのモニターに映し出されていたAztec Cameraの“still on fire”のプロモビデオで彼と初めて出会い、セカンドアルバムの“knife”のジャケットの女の子がアニメで登場する映像の斬新さと、抜群なルックスと甘い声、もちろんキャッチーなメロディーと変幻自在なギターに魅了され、旅の任務だった、歳の離れた「弟の手を離さない」というのもしっかりと忘れずに、立ち止まっていたのを思い出す。

 

 その後、いろんなアーティストと出会うが、the smithsやthe style council、billy braggといったお気に入りへの入り口になったのも、彼だったなぁ、と思い返す。

 

 ちなみに、“knife”はマーク・ノップラーのプロデュース。随所に、ならではなのかなと思わせるようなひっかけるようなギターが心地いい。

 その後、ファースト・アルバムの“high land,hard rain”を聴き、鮮烈な青さにますます魅かれてゆく。雪国の田舎の少年には、“walk out to winter”がしっくりとはまった。

 

 そうこうしているうちに、サードアルバムの“love”が、まったく方向性の違う、ソウル・ミュージックの要素を盛り込んだ大人を感じさせるサウンドに仕上がっていたのに、びっくりした。

 

loveという名のアルバム

 そして、“love”もお気に入りのアルバムになり、特に“how men are”は、自分の思春期のケツの青さに、大人の愛の苦さを教えてくれた。

 後年、歳ばっかり重ねたおっさんを驚かせたし、日本語詞(日本語で唄えるように)に訳してみたりするほど入れ込んで聴いた。

 話が前後するが、一人暮らしを始めて、レンタルCD屋がはやり始めた時に借りてきたカバー曲のオムニバス・アルバムにヴァン・ヘイレンの“jump”のアズ・カメ・ヴァージョンが収録されており、さっぱりジャンプしない前半部の気だるさに対して、後半のジャンプどころか、そこらん中を走り跳び駆け回るギターソロは、今聴いても、魂が熱狂する。

 そういったエッジの効いた曲は“stray”での“the crying scene”なんかでも現され、彼の懐の大きさを感じる。

 

 坂本龍一プロデュースの“dream land”では、“spanish horses”で、ギターやピアノの面白いアレンジのほか、効果音として二人で相談して入れたという、手をリズムに関係なく叩く音が創造的で、よっぽど楽しんで作ったんだろうなと、こちらの想像力をかきたてる。

 

 “frestonia”では、“sun”。歌詞も、落ち着いたポップソングに似つかわしい、恋の切なさを唄い、好きだ。

 


ザ・ベスト・オブ・アズテック・カメラ

 

 ロディ・フレイム義になってからの1枚を買って聴いたのが購入の最後になったが、今でもいつでも、“sun”までの曲は、ヘビロテで聴いている。

 

 青く、深く、優しく・・・

 僕にとってのAztec Cameraは今も胸に流れている。