アスペルガー症候群の夫と妻のカサンドラ症候群
最近、季節の変わり目で急に寒くなったこともあるのか、体調が悪い。すこぶる悪い。
忙しかったのもある。
家事にも結構時間を割く。
そのほかにも、一日のうちで精神科、健康診断の結果を聞きに、あとは睡眠時無呼吸症候群の検査を受けたりと病院通いで忙しい日もあった。
さて、カサンドラ症候群について少しだが書きたい。カサンドラの名は、ギリシア神話に登場する王女の名で太陽神アポロンから愛され、予知能力を授かる。
しかし、その能力でアポロンに捨てられる未来を予知したので、アポロンから離れ、怒ったアポロンに「カサンドラの予言を誰も信じない」という呪いをかけられたことに由来する。
転じて、カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群の伴侶(アスペルガー症候群が男性に多いことから主に夫)とのコミュニケーションを取れないことや、夫の日常を他人に相談しても、一見普通に見える夫を周りの人が見たときに、妻の訴えを信じてもらえず、妻が簡単にいえば鬱状態になるという、アスペルガー症候群の伴侶を持つが故の妻側に起きる二次障害のことである。
夫がアスペルガーと思ったときに妻が読む本
カサンドラ症候群とは無縁なかみさん
さて、うちのかみさんについてどうかというと、こないだかみさんに聞いてみた。
「自分(妻)がカサンドラ症候群になりうると思う?」と。
そうしたらば、「たぶんないねぇ。基本、あーちゃんのこと、宇宙人だと思ってるから」という答えだった。
そう、僕は宇宙人である。地球人である前にこの広い宇宙に地球人として存在する宇宙人なのである。俺はスターマンだ。当たり前のことである。
しかし、なんだが悲しかった。(笑)
一番はかみさんの性格によるものかもしれない。
しかし、いろんな好条件があって、かみさんはカサンドラ症候群にはならずにいる。
いろいろ下記に考えていくと、
・職場に似たような環境の同僚(女性、カワちゃん(仮名))がいて、情報交換や笑い話ができること。・・・これは大きい。
共感を得られる人間が近くにいることは精神的なはけぐちになり、会話や孤立感を感じずに済むことからストレスをためないで済む。
しかし、カワちゃんという存在ができたのは、ここ一年の話だ。かみさんと付き合って15年、そういった存在がいなくてもかみさんが鬱状態になることがなかったのはなぜだろう。
・仕事そのものに打ち込むこと。・・・目の前にやることがあって、客商売でもあることから、お客さんとの会話から、社会とのつながりを感じて生きていけたことも、根底として大きいと思う。
それは、今でもそうで、僕の病気をカミングアウトしていない他人でもほかのテナントの店員との休憩時間などでのなにげない会話で気をまぎらすこともできる。
前にも書いたが、うちのかみさんは、他人に対して距離感をそんなに近づけない。
そして、誰に対しても、よっぽどの人でなければ、公平に接しようとする。
濃い人間関係もできない反面、誰とでもフランクに話せるのはかみさんの美点だ。
・かみさんの成育歴・・・うちのかみさんは小学生の時、祖父が事故に合い下半身不随になったため、意識が戻らない期間もあったことから、34歳だった母親と祖母が看護につきっきりだったために、親戚や近所の人に預けられたり、心にも影を落とした。
小学中学年の時から、米を炊き、腹を空かせて学校から帰ってくる弟、妹におにぎりを作って食べさせることを覚えた。
そして、それに起因したのでないとしても、いい意味で「孤独」に慣れることを覚えた。
折り紙の腕前が達人であることもそうだが、一人で何も考えず時間を過ごすことを覚えた。
この話を聞くと、いささか大げさだが、英国王室のチャールズ皇太子が、その境遇から孤独に慣れるため、絵を描くことを趣味にしていることに似ているような気がする。
■ナンバー1になりたい
そんなかみさんでも、僕と知り合った当初、「誰かのナンバー1になりたい」んだと話してくれたことがある。
かみさんは、僕のナンバー1だ。
花屋の店先に並んだオンリー1の花からナンバー1になったのだ。
でも、カサンドラ症候群に付随することだが、僕がかみさんのナンバー1にならないことが将来生じるかもしれない。
それは特に「子ども」が生まれた場合だ。
子どもを出産したときに、女性は、子育てを阻害する存在を遠ざけたりすることが、「オキトキシン」という愛情ホルモンが女性に分泌されることで起きることがメディアでも伝えられている。
そういう点でカワちゃんは先輩なので、いろんなアドバイスが受けられればいいな。