ashの突き抜けた疾走感
ashには、やられた。
だって、そりゃ、若さが炸裂していたんだから。
こんなノリのいいポップギターバンドが世界を席巻してくれたことに感謝。
彼らは、北アイルランド出身のバンドである。
北アイルランドといえば、むしろ宗教的な問題で政治的にも、IRAといったナショナリスト組織と警察などとの抗争やU2の歌で有名な「血の日曜日事件」など、悲惨な歴史を内包した地域柄であるか、僕自身、そういったことにあまりくわしくないため、あくまでもイメージ的な発想になってしまう。
国の違うアイルランドとは、また別の要素をはらんでいるのが想定されるからだ。
そんな北アイルランドから、こんなに元気で活力あふれるバンドが登場してくれたことに驚いた。
that petrol emotionと北アイルランド
もちろん、北アイルランド出身でもたくさんの元気のいいバンドやミュージシャンはある。
特に僕がnew waveシーンの中で好きなバンドに、that petrol emotionがいる。
混沌とした音楽性の中にアイリッシュミュージックの要素も含め、ポップな歌もこなす。
僕は、個人的なこじつけになろうともashの中にthat petrol emotionのような、風土に根差した音楽性を感じずにはいられない。
なぜなら、「突き抜けてる」感が、はんぱなかったからだ。
あとで、もちろん書くが、radioheadがすばらしいソングライティングを繰り広げて、さまざまな実験をしたのに対し、その暗い内省的な要素ばかり集めたような僕の嫌いなあるバンド、うけがよくて大バンドになってしまったので、なおさらだが、名前はあえて出さない。
そんな中で、シンプルな突き抜け感や疾走感を出せるバンドがashであり、過去にはthat petrol emotionだったからだ。
そういう意味での曲では、That petrol emotionに関しては、アルバムchemicrazyの中のシングル曲、sensitizeももちろん好きだし、その前のアルバムend of the millenium pshychosis bluesの中のgroove checkなどが好きだ。
でも一番好きな曲は、that petrol emotionの場合は、もっとゆったりした、確かその当時、某国営放送の土曜9時のドラマでも使われるという珍妙な快挙を果たしたcellophaneである。
End of the Millenium Psychosis
彼らは、科学に侵された社会へのアンチテーゼを表現せずにはいられない素地があった。
ashの明るい不良性
長くなったが、ashである。
彼らは、そんなものもぶっとばす。
weezarのオタク感さをとっぱらった、明るい不良性が心地いいのだ。
一番好きな歌は決まっている。
A lifeless ordinaryだ。
邦題「普通じゃない」の主題歌である。
「普通じゃない」は、ご存知のとおり、trainspottingやthe beach、それでスラムドッグミリオネアでアカデミー賞を取ってしまったダニー・ボイルの作品である。
ユアン・マクレガーとキャメロン・ディアス主演のその間の抜けたサスペンスの疾走感がashの疾走感と相まって最高のケミストリーを生んでいる。
ほかには、1stアルバムのkunfuが大好き。
もう、それは、ジャッキーチェンが大好きで仕方ないぜいって、ただそれだけの歌なんだから。
僕が小学生のころ、酔拳や笑拳や蛇鶴八拳や木人拳などの数々の名作を観た後に、電灯のスイッチの紐に向かって興奮して、足を上げて蹴っていた感覚とおんなじものを共有してくれてやがるんだから。
かっくいいいいい!!!
そんなわけで、アルバム、free all angelsを出してshining lightなんて曲をやられた日に、僕の中でのashは終焉を迎えてしまった。
一回イメージがつけば、それを期待するもんだから・・・保守的で飽きっぽくてすみません。