僕の宵と明けの唄

僕の宵と明けの唄

アスペルガー症候群の僕の生活・趣味を綴ります。

等身大の愛は地球、否、オレを救う~buzzcocks

199032日、クラブチッタ川崎で彼らを観ている。

彼らというのは、そう、 「マンチェスター」の元祖パンク・バンド、buzzcocksだ。

 

僕はひとりで東京に行くのが初めてだった。

千葉にいる小原氏と東京にいるgotoちゃんを「頼って」、初めて観る生の海外アーティストに決めたのが彼らだった。3人で観た。

 

会場の人の入りは、7割ほどだったろうか。

 

観に来ている人たちのファッションと、自分とを比較して恥ずかしくもあった。

けれど、buzzcocks、当の本人たちの服装が、自分の格好に似ているようで勇気づけられた。

「自分は自分のままでいいんだよ」

と言われてるかのようだった。

 

そして、ピート・シェリーの歌声や彼らのシンプルな3コードの展開に乗る、覚えやすいメロディに次第に乗せられてゆく。

ドラムを元the smithsのマイク・ジョイスが叩いてるのが見えて、初めて見るのに、なんだか親戚の兄ちゃんにでも会った気分で、でもthe smithsの人間なのだから、ますます興奮した。


Singles Going Steady

 

Peel sessionsbuzzcocksがすばらしい!!

行くことを決めたのは、たぶん3カ月前くらいだった。で、disk noteに行って、彼らのアルバムを探したら、BBCradio1でやっていたという有望新人の登竜門、peel sesssionsの彼らのアルバムがあった。

 

そのときに、peel sessionsの存在も初めて知ったし、このスタジオセッションが、極めて質の高いパフォーマンスと迫力のある録音で、彼らのアルバムも、大満足の出来に仕上がっていた。

あとで普通のスタジオ録音版のbest盤が出たので買ったが、best作品としての意味合いにおいても、音の厚みにおいてもpeel sessionsの方が圧倒的に優れているんだからjohn peelさんは大したもんである。

彼らのpunk bandとしての曲の短さもpeel sessionsのアルバムの長さにちょうど良かったのかもしれない。

 

とにかく、それを毎日のように聞いて予習してライブに臨んだ。

だって、それまではまともに彼らの曲を聴いたのは、fmか、当時やっていたnhkbstransmissionという番組ぐらいでしかなかったからだ。

 

だから一番最初に知った曲は映像でも流されたwhat do I get?

 

それまで高校時代に聞いたpistolspunkの本流だとするならば、buzzcocksは、ピート・シェリーの声とも相まって「やさしいpunk」だった。

今考えると、このポップなpunknew waveの多様性を作り上げるのに多大なる貢献をしたのだと思う。

ピート・シェリーと共にbuzzcocksを立ち上げ、ほどなく脱退し、magazineで、こちらも元祖ゴシックパンクといえるmotorcadeを演ったハワード・ディボートウのように。

 

等身大の音楽はオレに人生をくれた

punkのイメージが過激なファッションと、激しい音楽と、ドラスティックな主張で構成されるたものという「ぶち壊し型」のイメージがついてしまっていたなら、buzzcocksは等身大の自分たちを歌っていた。大げさな仕掛けのないアティテュードで、音楽的も等身大だった。

ロックのエッセンスともいえる彼らの音楽に、僕はのめりこんでいった。

 

高校生の時のpunk体験といえば、toy dollsとブルーハーツが同時代のものだったから、彼らの中にある「自白性」がすでに、buzzcocksの中にあって、なお一層、彼らを偉大な存在にさせた。

 


バズコックス・ベスト

彼らの好きな曲を上げればキリがない。

what do I get?

fast cars

noise annoys

(曲名からして最高な韻のセンス!!)

ever fallen in love?

lipstick

everybody happy nowadays

i don't know what to do with my life

などなど。

 

頭ン中に曲を想像して流してるだけで、シンパシーからの充足感を感じる。

 

「俺は、ちっぽけなことで悩んで、気にして、そんなちっぽけな人生を歩いているかもしれない。無駄にしてきた時間ははかりしれないかもしれない。でも、それでいいんだよ」

って言ってくれてる気がする。

 

彼らはみんなを見守ってるんだ。

 

 

何よりも、「オレ」に人生をくれてありがとう。

 

 

最初のライブ初体験が彼らでよかった。